

益子林業のブログ
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造作材原板 丸挽きのご注文 2025.09.05
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とちぎ八溝杉を製材・販売する益子林業です。
製材には様々な挽き方がありますが、中には、名前が付いている挽き方がありあります。
その一つに丸挽き(まるっぴき)と言われるものがあります。
我ながら、ひらがなで書いてみるとなかなか可愛らしい名前ですね(笑)。
今日は、お客様からこの丸挽きのご注文を頂きました。
八溝杉 4m 末口40㎝ の丸太を 厚み35㎜の丸挽き
耳内の幅300㎜以上の板のみ 30枚~35枚
内部の造作材として使うのですが、用途は様々でカウンターや窓台に耳付きのまま使用されることが多いと聞いています。
手造り感が出て施主にとても評判が良いようです。
しかもこの工務店様は、弊社から丸挽きの生の原板で仕入れて、ご自分で天然乾燥して使われるので材料の仕入れコストはとても魅力的な金額に抑えることができます。
当然手間はかかると思いますが、手間をかけることがこの工務店様の魅力の一つになっているので、問題は無いようです。
さてこの丸挽きですが、丸太を送材車にセットしたら、ひたすら歩出しして挽くだけですので製材方法としては最もシンプルな挽き方です。
ですが、お客様の用途を考えると、耳(丸み)を見せることが多いので、皮は機械で剥かずに鎌を使って手で剥きます。さらに、季節的にも乾燥過程でカビが発生しやすいので、カビの原因になるオガ粉を箒で良く払ってから出荷します。
皮むきの様子 オガを払う様子
お客様の仕入れコストのことを理解しつつも、最低限の品質は確保できるように気を配るのも益子林業で大切にしていることです。
安くするために、何でもかんでも手間を省いてしまうと、信用は得られないと思っています。かと言って、いちいち「皮は手作業で剥きますか?」「オガ粉は落しましょうか?」とは聞きません。
最低限の品質は、自分で決めることだと思っているものですから。
この材料を使って建てられた素敵な住宅を見学するのが、今から楽しみです。