益子林業のブログ
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そもそもUNDER8とは 2025.06.27
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- UNDER8とは益子林業(有)で作られた造作材(床板・羽目板・枠材など)の商品名です。
しかし、造作材でもカウンター、階段材など、断面の比較的大きなものはUNDER8ではありません。
UNDER8とは、人工乾燥の窯出し時点で一旦含水率を8%以下まで下げて、その後養生し、含水率が11%前後になった製品を指します。
日本国内の天然乾燥では、平衡含水率は13%~15%です。
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- 一方最近の住宅環境下での内装材の平衡含水率は6%~13%になります。
天然乾燥の含水率13%の造作材では施工した後に、さらに乾燥が進み変形し(縮み)ます。
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- かと言って含水率6%の材木をそのまま使うと、梅雨時には湿気を吸って変形し(膨らみ)ます。
この1年を通して平衡含水率が変化する日本国内において、無垢材の形状を安定させる有効な方法が木材のヒステリシス効果を用いた乾燥方法です。
木材のヒステリシスとは同じ含水率の木材でも、通常の人工乾燥による木材Aと、一旦低含水率まで下げた後再び吸湿させて戻した木材Bでは、木材Bの方が形状安定性が高くなる特性です。
益子林業では、このヒステリシス乾燥による製品を現実的なものにするために、窯出し時含水率を8%以下と定めました。
人工乾燥機内の全ての材木を8%よりもさらに低くしようとすると、温度を高温に上げなければならなかったり、非現実的な時間がかかったりします。
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- 品質とコストの調和を考えたときに8%という値に落ち着いたのです。
実際に商品化して、お客様(工務店様や大工さん)に使って頂いたところ絶大な評価を頂くことが出来ました。
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- こうして、窯出し時含水率8%の造作材であることから、UNDER8(アンダーエイト)という商品名が生まれたわけです。
しかし、現在のように製品が仕組化され、安定した品質を保てるまでの道のりは平たんではありませんでした。
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