益子林業のブログ
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面戸(特殊材)のご注文 2025.06.25
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- 設計事務所からのお問い合わせがありました。
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- 「面戸にする杉の材料を探している」とのことです。
軒先の屋根垂木をあらわしにするため、面戸が必要になります。
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- デザインにこだわりがあり、長押の様な形状の面戸を使用されているとのことですが、いつも頼んでいた製材工場が廃業されるとのことで、別な製材所を探しているが見つからず困っているとのことでした。
お話を聞いてみると、長押挽きではなく平割りを斜めにカットしてほしいとのことでした。
ちなみに長押の場合は、丸太を半分にして、さらに1/4にして、柾の建具材を取りながらついでに斜めに挽くのが一般的な挽き方です。
平割りを斜めにカットするとは、鴨居の様な材料を斜めに挽くことです。
今回は4000×45×75の平割りを斜めにカットして、4000×8~35×75にするご注文でした。
何故8~35かというと、鋸のアサリの厚みが2㎜なので、8㎜+2㎜+35㎜=45㎜になります。
この手の材料は、30年前は和瓦の広小舞に使うのによくご注文を頂いておりましたが最近は少なくなりました。
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- 挽いたことのある者にとってはさほど難しくはありませんが、そうでない製材工場は敬遠するようです。
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- 化粧材ともなると、送材車でハッカをかけて傷にするわけにもいきませんので、テーブルという帯鋸の機械を使ってフリーハンドで挽きます。
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- フリーハンドで挽くと真直ぐに挽けないのでちょっとした工夫をするわけですが、この工夫が経験がないと、なかなか難しいのかもしれませんね。
何はともあれ、一昔前を思い出しながら直角三角形のご注文に対応させて頂きました。
こうしたご注文に対応して喜んでいただくと造作材工場も捨てたものではないと思える瞬間でもあります。
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