

益子林業のブログ
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仕上げ造作材のご注文 2025.09.10
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とちぎ八溝杉を製材・販売する益子林業です。
新築住宅の造作材一式のご注文がありました。
超仕上げと面取りを施しての加工依頼です。
開口部や見切りごとに明細が送られてきます。それを入力担当者がPC入力をします。それを基に見積書と加工明細書及び工場指示書が作られます。


次に、加工担当者と工場指示書を基に打ち合わせを行います。この打ち合わせでは、見積書の意図を説明し、お客様が求めているグレードを確認します。
ちなみに今回のお客様はいつも上小節でご注文を頂きますが、実は無節を求めていらっしゃいます。
ではなぜ無節で注文しないかというと、益子林業に無節で注文すると目合い、色合いともに完璧なものを用意するので結構なお値段を頂くことになります。
しかし”無節にほど近い上小節”と注文することで、一気にコストダウンが可能になるからなんです。
無節を狙って作りながらも、ちょっとした欠点(僅かなシミや、節が出そうな目合い)が出てもOKとするというグレードになります。
例えば、今回の最も単価の高いご注文は、№39の付け柱 杉3面上小 2700×90×120 5丁 になりますが、もし3面無節でご注文頂くとちょっとした欠点でもNGとなるので、見積もり段階でそれを見越した単価にしないと赤字になってしまいます。
しかし、ちょっとした欠点は入れても大丈夫となれば、5丁の注文に対して5丁の原材料で間に合うと予想できるので、少なく見積もっても20%はコストダウンできるわけです。


結果として出来た製品は写真の通りです。若干柾目は緩めですが、柾目方向は棚になるとのことですので、このグレードなら十分ということになります。
この後、超仕上げと糸面を取る工程に入ります。糸面は面取り鉋とサンドペーパーを使って手作業で行います。

小口には加工明細書と同じ番号が書かれます。現場の大工さんが材料を探す時間がなるべくかからない様に明細書に使う名称もご注文を頂いた明細のままにしています。

続いて場所ごとにシュリンクフィルムで結束して梱包作業へと移ります。


杉の造作材は傷が付きやすいので、梱包時にはしっかりと固定されるように注意を払います。あとは運送屋さんが荷下ろしするときに材料をぶつけて傷にならない様にひたすら祈るのみです(笑)










