

益子林業のブログ
-
化粧柱 その1 2025.08.08
-
とちぎ八溝杉を製材・販売する益子林業です。
20年ほど前、既に木材業界では「最近は和室が少なくなったよ!1戸に1部屋あるかどうかだね!!」と言われていました。
それから・・・昨年度の弊社の売上実績で、和室(真壁の畳の部屋)があったのは2件でした。
20年前は化粧柱といえば、和室の真壁柱のことを連想していましたが、現在はリビングに立つ独立柱を連想します。
木材市場に行っても、桧の背割りの入った役柱の量は少なくなりました。
先日、私が修行中にお世話になっていた埼玉県戸田市の木材市場に伺ったのですが、残念ながら桧の役柱の在庫は皆無でした。
このような住宅事情ではありますが、弊社のお客様は比較的多くの化粧柱を使われます。
今回も、階段周りや吹き抜け、開口部に化粧柱(杉 特等)が使われました。
特等とは大壁柱として作られた物ですので、大壁柱を検品しながら見た目の奇麗なものをピックアップすることから始まります。
次に、図面を見ながら番付をします。大工さんが手刻みをしていたころはこの番付は大工さんの仕事でしたが、現在はプレカット工場で刻むため、単に化粧柱を用意しただけではベストな使われ方はされません。
ハイッ!そこで弊社の出番です。
ちなみに番付けは完全な奉仕作業です。かと言って嫌々ではありません。
あれこれと仕上がりを想像しながら材木を扱うのが好きなので!っと言うよりもこれこそが材木屋の楽しみだと思っております。
弊社の様な製材所なら、まだものづくりを楽しむことが出来ますが、造作材はおろか化粧柱の扱いが無くなったら、材木屋はどこに楽しみを覚えれば良いのかと思います。
今回も平面図だけでは読み取れない化粧柱の見え方を工務店さんに1本1本インタビューさせて頂き、11本の番付けを行いました。ここまでやると、次は完成見学会に伺うのが楽しみになってくるんです。
※写真は、プレカット工場が番付け通りに加工してくれるようにプレッシャーを掛けるための証拠写真です。