益子林業のブログ
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UNDER8が生まれたきっかけ その2 2025.07.02
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- 当時(2000年頃)の木材業界では、いかに言い訳して責任逃れするかが、当たり前でした。
伝家の宝刀は、「木は自然素材なので変形するのは仕方がない」でした。
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- これを言われると言い返せないほど乾燥の知識が乏しかったのです。
そのようなご時世に私は結婚して、子宝に恵まれたのをきっかけに自宅を新築しました。
プライベートルームの2Fには、当時流行っていた唐松の無垢フローリンを使ったのですが引き渡し時には板と板の間が5㎜以上隙ていていました。
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- 業界の先輩(父親)に相談すると、「大丈夫!夏になればもどるから」と言われましたが、あれから27年、いまだかつて戻ったためしは一度もありません。
この経験から、上手な言い訳により施主を説得することは出来ても、絶対に納得はしないだろうと身をもって経験できたのと同時に、このままでは無垢の造作材の評判が悪くなり、使ってくれる工務店や建築会社はなくなってしまうのではないかと危機感を覚えたのです。
アンテナを張っていると情報が飛び込んでくると言いますが、まさにそのような折に「木材のヒステリシス」という言葉と出会いました。
簡単に言うと、含水率11%の木材でも数値が下がってきて11%になった木材と、含水率を一旦8%以下まで下げてその後数値を上げて11%になった木材では、形状安定性が違うという木材の性質です。
試作品を作って実験を繰り返してみました。すると当時の一般的な製品と形状安定性に明らかな違いが見られたのです。
新たに人工乾燥機を増設し、モルダー、埋木、超仕上げの加工ラインを作り、本格的に加工板の生産体制を整えました。しかし・・・
【続く】
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