抜け節、死節の処理

抜け節、死節の処理

とちぎ八溝杉を製材・販売する益子林業です。

ぶっちゃけ言わせて頂きます。最もコストがかからず、最も高く売れるのは無節の製品です。
そして、最もコストがかかり、最も安くしか売れないのは特等(節あり)の製品です。

「じゃー、無節の製品だけ作っていれば儲かるじゃない!!」っということです。

でもですね、丸太を製材すると嫌でも節のあるものが出来てしまうのです。

ですから、私達製材業者は原価からバランスを考えて、無節と特等の単価を決めているのです。

しかもそのバランスは市況の変化によって変わります。

しかしその変化をダイレクトに単価に反映させると、お客様が困るので市況の大きな流れを読みながら、慎重に単価の改正を行っています。

益子林業は市況の大きな流れを見ながら長い(1年間)スパンで損益のバランスを保ってきました。

ですから、節あり製品もコストをかけて品質を確保しますが、節ありの製品で重要なのは死節や抜け節の補修です。

造作材の命題は美しさの追求であると思っておりますので、埋木も大きさや、色合いを考慮して、6種類の埋木ピースを使い分けています。

さらに床板の場合は、生節の軽微な割れや、微小なへこみにもパテ補修を施します。
このようにして、美しくて安心して使える製品が出来上がります。

UNDER8はその商品名から、乾燥方法が最大の特徴と思われがちなのですが、作り手の益子林業としては美しさの追及が優先順位第1位です。

美しさを追及する中でヒステリシス乾燥が必要になった訳です。

ここで、死節や抜け節の補修の手順をご説いたします。

まずはボール盤を使って死節や抜け節に穴を開けていきます。

埋木の直径が3種類あるので、ボール盤も3台あります。

小さな(5㎜程度)の死節は埋木をするよりもパテで補修した方が美しいので無理に穴は開けません。
埋木の数も多すぎると美しくないので、1枚の板に施す埋木の最大数も決めてあります。
埋木が規定の数を超える場合は、造作以外の用途に再加工します。

次に開けた穴にボンドを塗ります。
この量も少ないと埋木が飛んでしまうし、多すぎると圧力で木が割れてしまうので、適量を塗ります。
そこに埋木のピースを金槌で埋めていきます。

埋木が終わると、モルダー加工を行います。羽目板の場合はこの後超仕上げになりますが、床板の場合は軽微な割れや、小さな死節をパテで補修します。
ストッキングが引っかかったり、赤ちゃんの柔らかな手を怪我させないための補修です。

このような工程を経て、製品が出来上がります。
UNDER8の品質に共感して頂いた方は是非一度ご使用いただければ幸甚です。

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