特殊材を注文するときに考慮すること②

特殊材を注文するときに考慮すること②

前回のブログ・『特殊材を注文するときに考慮すること①』で、発注側が行うポイントと順序を書きましたが、どんなに木に精通している建築家でも製材所の立場から見れば、たかが知れています。
また、どんなに建築に精通している製材所でも建築家の立場から見れば、たかが知れています。

なので、お互い知らない者同士で協力し合いながら、補いながら、WIN WINを意識して最高の結果を目指していけば良いのではないでしょうか。

ということで、発注者の要望を伝えた後は製材所の意見を聞く番ですね。

そもそも製材所が特殊材に対応できる製材所であることが大前提です。

製材所は受注はしたいし、利益も出したいので、どうにかしてお客様の予算の範囲内で利益を出そうと考えます。
そうすると、もう少しここを妥協すればコストダウン出来るという話をするでしょうから、聞く耳を持ちましょう。
ここで大切なのが前回のブログ記事・『特殊材を注文するときに考慮すること①の⑷』で重要なポイントを初めに伝えたかということです。
そもそも発注者の重要ポイントを妥協されたくないですからね。

製材所はこのご時世ですから、乾燥済み原板の在庫をしています。
その原板から作ることができれば、製材コストと納期はかかりませんが、あまりにも歩留まりが悪いと高くつきますので丸太から製材して乾燥機に入れようと考えます。
そうなるとそれなりの納期が必要になります。

また、丸太から作っても、例えば1棟分の外壁材ともなればまとまった数量になるので既製品に近い単価で作ることが可能になります。

以上のように、お互いが情報を出し合ってハイクオリティーでコストパフォーマンスに優れた特殊材を作ることができるのにもかかわらず、市場や問屋からの見積り依頼には、材種、寸法しか記載されていないFAXが流れてくることが少なくありません。何に使うのか、数量はどのくらいかとこちらから問い合わせると、問屋から小売店、小売店から工務店、工務店から設計事務所へと遡り、やっと情報が届く有様ですからいい製品をご用意できるはずがありません。

特殊材の発注を考えている場合は、前述した業界のレベルを考慮して段取りしなければなりません。
特殊材で苦労した経験がある方は、恐らくこのいい加減な業界の体質を知らなかったか、直接取引した製材所とタイプが合わなかったことが原因ではないでしょうか。

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