東京大学に伺いました
今日は、JBN(全国工務店協会)主催の研修会に参加するために、東京大学農学部にやってまいりました。


折角だから赤門の写真を撮ろうと農正門から赤門に向かって歩き出したんですが、あまりにも遠くて時間が足りず、正門まで行って引き返してきました。
東京のど真ん中にこれだけ広い敷地があると、固定資産税はどのぐらいかかるのだろう?と思いました。
いずれにしても私の人生とは無関係の大学だと思っていたので、キャンパスに足を踏み入れるだけでも、ちょっとワクワクします(笑)
さて本題ですが、本日の講師は東京大学大学院農学生命科学研究科の恒次祐子先生です。木質空間が人に及ぼすリラックス効果をデータを元に科学的に実証されている先生のお話しを賜りにやってまいりました。


講義は約90分で、私に響いた前半のポイントは2つありました。
① CLTと再造林との関係
今までRC造で作られていた高層建築物がCLTを利用する事で木造で建てることが可能になり、大量の木材利用が期待されるが、全国の再造林率が50%程度のままだとRC造の方が二酸化炭素の排出が少なくて済む。
② カフェの内装木質化
カフェの内装を半分だけ木質化して約20日間お客様の座る量を調べると、木質化した方が明らかに多く座った。
次に木質化の場所を反転させて約20日観察すると、やはり木質化した方が明らかに多く座った。
やはり、環境保全の観点からも、健康的な観点からも、無理しすぎる事なく程良く木を使うことが大切だと思いました。同時に、再造林率を高める施策を加速させないと木を使うことが環境に良いとは言えない時代になってしまうのではないかと心配になりました。
後半は、近赤外分光方による様々なリラクゼーション効果の実験データをお示し頂きました。
「杉を寝室の内装に使うとよく眠れるようになる」「杉は、NK細胞を活性化する働きがある」など様々なデータをもとに説明して頂き、実に勉強になりました。
でも実は、一番心に響いたのは木の話ではありませんでした。
まず、恒次先生は開口一番『この度は、東大の一連の不祥事で大変お騒がせしておりますことをお詫びします』と謝罪されました。
不祥事は医学部で、農学部の恒次先生とは関係ないのに何とお気の毒なのだろうと同情しました。
その後、今年で東大は開設150周年を迎えるが、農学部はその2年前から開設されていたことをお話しされました。日本の農学の奥深さに感銘を受けました。


そんな訳で、帰りに農正門の隣にある東大農学資料館に立ち寄りました。本日一番心に響いたのはここでした。
中に入ると銅像があり、説明を読むと上野英三郎先生の銅像でした。上野先生は日本の水田の区画整理に多大な影響を与えた功労者で、さらにあの忠犬ハチ公の飼い主だったのです。
私は文字を読むのは苦手ですが、人の話を聞くのは結構好きです。中学、高校でも先生の話を聞くのは好きでした。でも覚えているのは学業の話ではなく、雑談や余談でした。今回も何故か農学部開設152周年の話が響いてしまい、上野先生に出会ってしまいました(笑)。
資料館に入ったついでに、展示してある樹齢約1,600年の屋久杉の円板を拝見したのですが、側の方は年輪が細かすぎてよく見えない程です。大化の改新の600以上前に生まれた木です。その頃の炭素を今だに固定化している事を思うとロマンを感じられずにいられません。
という事で、東大の思い出は、恒次先生の真摯さと上野先生、そして屋久杉の円板でした。


